不動産事件簿③【不動産クラウドファンディング・海外不動産・リノベーション】

✔この記事はこんなあなたにオススメ!
  • 近々不動産屋に何かを相談する予定がある方
  • 不動産屋に騙されたかもと思っている方
  • 今後のために不動産に関する悪徳事例を知っておきたい方

こんにちは!

株式会社レックの大友です!

 

前回に引き続き、悪徳不動産屋を相手にした時の実例を3つ紹介いたします。

この記事を見れば、もし悪徳不動産屋に出会っても大丈夫。

あなたを守ってくれるような記事の内容になっています。

 

この記事はシリーズになっていますが、それぞれ独立したお話になっていますので、①・②を読まなくても楽しむことができます。

ただ、すべてのシリーズを読んでいただくと、不動産屋の悪事が網羅できるようになっていますので、他の事件簿も併せてお読みください。

今回は、新しく出てきた不動産商品の内容が多いので、今後耳にすることも多いと思います。

特に注意が必要な内容です!

 

CASE1:不動産クラウドファンディング

昼間の青空に白い雲

事件簿【不動産クラウドファンディング】

不動産投資をしたいと考えているサラリーマンのAさん。

しかし、不動産の購入には多額の頭金が必要であり、Aさんは余り貯金がありません。 

そんなAさんが、不動産屋に相談しているときの話です。

 

Aさん

✕✕不動産さん、あまりお金がないのですが不動産投資にあこがれています。

こんな私でもできる投資方法はないのでしょうか?

✕✕不動産

Aさん、それなら「不動産クラウドファンディング」がありますよ。

みんなで少しずつ集めて、1億円の物件を購入・運用しようという画期的な商品で、最近かなり流行しています。

Aさん

不動産投資を経験するにはとても良い商品ですね!

利回りも15%だなんて、すごいじゃないですか!!

 

Aさんは、とりあえず10万円分の購入を決め、1年後には元本・利息分を含めた11.5万円が返ってきました。

不動産クラウドファンディングに味を占めたAさんは、同じ運営会社が運用する利回り17%の物件に、有り金全てである200万円を投資することにしました。

利回りが高いので、かなりの人気商品でしたが、Aさんは運よく抽選に当選したので投資することができました。

運用期間は1年間なので、1年後には234万円になって戻ってきます。 

 

✕✕不動産

Aさん、何かありましたか?

Aさん

不動産クラウドファンディングの運用会社が倒産して、投資した200万円が返ってこないことになったんだ!!

どうしてくれるんだ!!

✕✕不動産

そ、それは災難でしたね。。。

私はそういうものもありますよとオススメしただけなので、どうすることもできませんが。。。

結局Aさんのお金は戻ってくることなく、貯金が0に。

1年間の間は節約極貧生活を余儀なくされてしまいました。


 

今回のケースは珍しく、✕✕不動産は悪くありません。(サングラスゴリラではありますが)

「ポンジスキーム」と呼ばれる詐欺の手法を不動産クラウドファンディングを通して行われた事例になります。

ポンジスキームの特徴は、高利回りで出資者から金を巻き上げ、最初は信用させるために表記通りの利回りで還元します。

しかし、出資者が運営を信頼し、大きな額の出資を行ったとたんに姿をくらますというものです。

世の中の詐欺の半分以上がこのポンジスキームだと言われています。

不動産クラウドファンディングのような、最近出てきた商品は利回り相場の理解が浸透していないため、高利回り商品が不自然になりづらいです。

 

対処法
  • 運営会社の創業年・実績など、信用に足る会社かどうか十分にリサーチする
  • 新しく出てきた投資商品には手を出さない
  • 不自然な高利回り商品には必ず裏があることを忘れない

 

ソーシャルレンディングとは

多数の投資家からちょっとずつ投資資金を集め、運営会社が運用し、利息分を分配する投資手法です。

クラウドファンディングはあなたも知っていると思いますが、クラウドファンディングは運営会社が個人・法人で、利息の代わりに返礼品やサービスが返ってきます。

最近非常に流行っており、中には必要金額の1,000%以上の金額が集まることも珍しくありません。

不動産の商品は、利回りが5%前後のものが多いですが、中には15%や20%といった高利回り商品も存在します。(高利回りすぎるものは要注意)

 

ソーシャルレンディングには以下のような特徴があります。

  • 高利回りのものが多い
  • 少額から始められる(1万円など)
  • 運用の手間がかからない(自分は資金を提供するだけ)
  • 新しい手法で、詐欺まがいのものがある
  • 流動性が低い
  • 返却の延滞、元本割れのリスクがある

 

新しい金融商品は、皆が何が何だかわかっていないので、人を騙しやすいです。

私も、詐欺っぽいなーと思うものをたまに目にするので、あまりにも高利回りであったりするものには注意が必要です!

CASE2:海外不動産

Free Man Laptop photo and picture

事件簿【海外不動産】

Aさんは40代前半のサラリーマン兼不動産投資家。

不動産投資の勉強をしており、最近は利回りの高い物件が少なく、新たに物件を購入できていないことが悩みです。

Aさん

最近の不動産は利回りが3%~6%くらいのものが多くて、投資したいと思えるものがないんですよね~

✕✕不動産

Aさん、それでは海外の不動産投資にチャレンジしてみませんか?

海外には日本と違って人口が増えている国がたくさんあるし、確実に上がると思って間違いないよ。

Aさん

海外不動産!?

かっこいいし、、話を聞かせてください!

 

更地にマンションを建てて、そこの1室を買うという投資方法であることが分かり、想定利回りは15%とのこと。

日本ではなかなかお目にかかれない商品のため、Aさんも期待に胸を膨らませて購入することに。

そして後日・・・

 

Aさん

あれ?

進捗の報告がくるはずなのに来ないぞ?なんでだろう?

 

定期的にくる進捗報告が来ません。

すでに建築が始まっており、あとは完成を待つだけのはずですが、、、

 

✕✕不動産

Aさん、建築現場でストライキが起こったみたいで、建築が進んでないみたい。

完成時期も白紙になったから、いつAさんにお金を渡せるかわかんなくなっちゃったよ。

Aさん

ストライキ!?

購入から3年で回収できるはずだったのに、どうしてくれるんだ!!!

 

結局、ストライキが何度も起こり、建築費も想定よりもかかってしまったため、3年で利回り15%の予定が、5年で利回り1%のクソ投資になってしまいました。


 

日本の不動産は、少子高齢化・人口減少の影響でだんだんと厳しくなっていっています。

そこで、人口が増えている海外に投資すれば良いのではないかと考える人は珍しくありませんし、実際に海外不動産の案内をする不動産屋も増えてきています。

海外の投資自体を否定するわけではありませんが、世界的に見ても日本人は勤勉な民族です。

しかし海外では、日本では想定できないトラブルがよく起こります。

自分のものさしだけで考えていると、痛い目を見るケースが多いのが事実です。

海外の不動産投資は今回のように、コンドミニアム(マンション)を完成前に購入するパターンが多いです。

デベロッパー・現地の建築会社がちゃんと信用できる会社なのかどうかはしっかりと自分で調べ、海外不動産の経験がある方が周りにいる場合は、必ず話を聞いてから投資するかどうかの判断をしましょう!

 

対処法
  • デベロッパー・建築会社が信用できるかをリサーチする

 

 

結局どのケースも不動産屋さえ普通の会社であれば起こり得ないわけです。

悪徳不動産屋が一日も早くいなくなると良いですね。

CASE3:リノベーション

事件簿【リノベーション】

Aさんは新築の高騰により、中古不動産投資を検討しています。

そんなAさんが✕✕不動産に相談しています。

✕✕不動産

Aさん、確かに最近は新築建てると高すぎて利回り合わないよね。

そういう時は、中古物件をリノベーションすれば、初期費用は低いし、高利回りで物件回せるよ。

Aさん

なるほど!その手がありましたか!

それで、そういうからにはオススメの物件があるんでしょ?

✕✕不動産

もちろん、それでなきゃこんな話振らないよ。

この築50年の物件、立地が最高で他のよりもちょっと高いけど、リノベして貸せばウハウハだよ。

最高のリノベ用物件を見つけたAさん。

築50年で見た目も間取りもかなり古いですが、確かにリノベして貸し出せば、かなりの利益が見込めます。

3,000万円を支払いその物件を購入し、いざリノベを行おうとすると、、、

 

Aさん

✕✕不動産さん、リノベ業者にこの物件持っていったら、この物件はリノベできませんって言われたんだけどどういうこと!!

✕✕不動産

Aさん、築年数が古すぎたり、設備があまりにもボロボロだったりするとリノベできないのは常識だよ。

勉強不足だったね。

Aさん

なんでそんな物件をリノベ用物件として売ったんだ!!

返金しろ!!!

 

もちろん、悪徳不動産屋である✕✕不動産は返金対応などしてくれず、Aさんは3,000万円払って、借り手もつかないようなボロ物件を購入したことになってしまいました。

売却を試みたところ、結局2,500万円しか売れず、手数料などを考えると600万円以上の損失になってしまいました。。。


 

基本的には物件の法令上の制限などの調査は不動産屋が行ってくれます。

しかし中には、ノルマに追われてどんな手を使ってでも物件を売りたいと考えている担当者も少なくありません。

リノベーションができない物件があるなんて一般人は知る由もないので、そこに付け込んでリノベ用物件といってオンボロ物件を売りつけてくる業者がいます。

法令上の制限を自分で調べる方は少ないと思いますが、インターネットや役所で簡単に調べることができるので、一度自分で調べてみましょう。

30分の手間を惜しんだばかりに、数百万・数千万の損をしてしまったなんて笑えないですよ。

 

対処法
  • 物件の法令上の制限は自分で調査してみる
  • 信頼関係を構築した不動産屋とだけ取引をする

リノベーション不可物件

  • 物件に水回り関係の問題がある物件
  • メンテナンス履歴が確認できない物件
  • 管理規約でリノベが制限されているマンション
  • 1981年(昭和56年)5月31日までに建築された物件

リノベーションは確かに素晴らしい手立てになり得る方法ですが、注意点もたくさんあることを覚えておきましょう! 

 

リノベありきで買う物件は必ず上記の4点に当てはまらないことを確認しましょう!

まとめ

今回は不動産事件簿③ということで、実際に起こっている不動産の事件を3つご紹介しました。

伝統的ではない投資方法の恐ろしさが少しわかっていただけたかと思います。

 

不動産はマイホームにせよ、投資用にせよ、〇千万単位でお金が動くので、失敗すると取り返しがつかなくなります。

そして、もし失敗してしまったとしても、あまりにも被害が大きすぎて、友達などに笑い話で話せるレベルではありません。

そうして噂も広がらずに、悪徳不動産屋は生き残ったりするわけです。

 

今回のケースは目新しさがあり、「早くやらないと他の人にとられる!」と考えて投資してしまうケースを多く紹介させていただきました。

大丈夫です。とられません。

そんなに良い話だったら、あなたのところに回ってくる前に他のお金持ちや偉い人がやっています。

あなたはそんなに特別な存在ではありません。

なぜ自分のところにこんな良い話が回ってきたのか、というところまで考えることができれば、投資で失敗する確率はかなり減ります。

  

改めて、世の中には悪徳不動産屋が数多くおり、不動産屋の半分以上がなにかしらの裏を持っているといっても過言ではありません。

賃貸であればまだよいのですが、売買の場合は相手の不動産屋が本当に信頼できるのかをじっくりと見極める必要があります。

もし自分では判断できないときは、必ず友人などの他の人に相談しましょう。

あなたの近くに不動産屋の友人がいるのであれば、その人に相談するのが一番です。

あなたの不動産ライフが嫌な思い出にならないよう、祈っております。

 

悪徳不動産屋は基本的にすぐに潰れるため、創業から年数が5年以上経過していればある程度信じてよいかもしれません。

不動産屋に掲示してある宅建の免許には「石狩(5)」などの数字が書いてあり、この数字が2以上であれば比較的安心です。

ただ、数字が大きいからと言って安心してはだめで、必ず自分で数字周りは調査・計算するようにしましょう!