【不動産投資】長期保有vs短期売買、どちらがお得?

✔この記事はこんなあなたにオススメ!
  • 不動産投資を行っている方
  • 不動産の売却のタイミングを見計らっている方
  • 長期保有と短期売買で何が違うのかがわからない方

こんにちは!

株式会社レックの大友です!

 

今回は、不動産の長期保有と短期売買の対決の記事です。

「不動産をいつまで持っていようか?」「いつ売ればよいんだろう?」

このように思ったことがある投資家も多いのではないでしょうか?

この記事を読めば、少なくとも5年以上持った方が良いか否かの判断はできるようになりますので、ぜひ最後まで読んでいってください!

どのレベルの方でもわかりやすいように解説していきますので、安心して読んでいってくださいネ。

 

長期保有と短期売買の定義

基本的には、保有期間が5年未満であれば「短期譲渡所得」、5年以上であれば「長期譲渡所得」として税金がかかります。

上記に従って、「短期」と「長期」を分けることもできますが、この記事においては、購入してから1年以内に売却をするかどうかで「短期売買」「長期保有」と分けていきます。

 

個人の場合の譲渡所得課税の図 ※法人だと普通の法人税の計算と同じです

しかし、この5年という期間はクセ者です。

よーーーく上記の図を見てみると、保有期間が5年を超えているのに「短期譲渡所得」になっていることに気づきます。

これは何故かというと、保有期間のスタート日にカラクリがあります。

実は、この保有期間というものは、「購入した年の翌年の1月1日」が開始日になります。

もう一度上の図を見ると、短期譲渡所得の終わりがR7年の1月1日になっていますね。

R1年の5月1日に物件を購入した場合、保有期間はR2年の1月1日になるので、5年後のR7年1月1日に「短期」から「長期」へと切り替わるわけです。

 

ここ、結構ややこしいですが、勘違いして長期で売却したと思っていたのに短期だったなんてことが起きたら大変なので、しっかりと理解しておきましょう!

後でも解説しますが、短期と長期では税率が20%近く違うので、ここのミスは結構致命的です。

1,000万円の利益が出たのであれば、200万円も差があります。

数か月待てば200万円失わずに済んだのに、、、

なんて悲しすぎますよね。

長期保有の概要

長期保有の定義と特徴

長期保有は、不動産を5年以上、時には数十年にわたって保有し続ける戦略を指します。

新築RCマンションをずっと保有していると、「60年間」保有なんてこともありますね。

長期保有のポイントは、短期的な市場の変動に左右されずに、長期的な視点での資産価値の増加と安定した収益が見込める点です。

長期保有は賃料収入が主な収益になります。

 

売却益に関しても、株式なども同じですが、明日の価格の上下をあてることよりも、5年後の価格の上下をあてる方が難易度が低いです。

例えば、日本は人口が減っている等の理由で、田舎の土地は長期的には安くなると予想できますね。

しかし、どこの土地であれ、一週間後・一か月後の価格なんか正解できるはずがありません。

長期保有のメリット

安定したキャッシュフロー

長期保有の最大のメリットは、賃貸収入による安定したキャッシュフローの確保です。

不動産を適切に管理し、良好な入居率を維持することで、投資家は安定した収入を得ることができます。

賃料収入はあまり上下しないので、入居率さえキープできていれば10年後の収入予測も簡単です。

お小遣いのように毎月現金が手に入る = 生活水準を上げることができる

これが長期保有の一番のメリットです。

 

資産価値の長期的な増加

長期保有によるもう一つのメリットは、時間の経過とともに不動産価値が増加する可能性が高まることです。

特に、インフラ整備や地域開発が進むエリアでは、不動産価値の顕著な上昇を期待できます。

例えば、ラピダスの工場が建築中の千歳市は長期的な地価の上昇が見込まれています。

また、人口が増えていて、都市化が進んでいる海外の国の不動産なども、上がる要素しかありませんね。

長期間にわたる保有は、このような地域の発展に伴う価値上昇を最初から最後まで、短期よりも大幅に取り切れるという利点があります。

 

税制上の利点

不動産投資には、減価償却費や、修繕費などの経費を含む多様な税制上の優遇措置があります。

これらの措置は、長期保有戦略において特に利益をもたらします。

特に減価償却費は上手に使えばかなり節税できます。

時間をかけて資産を保有することで、いくつかの税制優遇を最大限に利用し、税負担を軽減しながら資産を成長させていくことができますね。

 

加えて、個人の場合に限っては、長期譲渡所得にかかる税率は短期譲渡所得にかかく税率の約半分になります。

半分の違いは相当大きいので、急ぎではない限り、5年以上経過してから売却することをオススメします。

法人の場合は法人税になりますので、短期でも長期でも譲渡所得税の値は変わりません。

長期保有のデメリット

管理と維持の負担

不動産投資のもう一つのデメリットは、物件の管理と維持に関連する負担です。

賃貸物件の所有者は、入居者からの要望に対応し、定期的なメンテナンスや修繕を行う必要があります。

これらの作業は、時間と費用の両面で負担となり得ます。

基本的には管理会社を利用することになりますが、それはそれで家賃の5%程度の管理料がかかります。

 

また、不慮の事故によって周辺から人口がいなくなってしまった場合、保有しても赤字、売却しても赤字という最悪の状態になってしまいます。

直近の話だと、「北海道医療大学」が当別町から北広島市に移転することが決まりました。

急な話だったので、当別町すら準備ができていなかったのですから、イチ不動産投資家が準備できるはずもありません。

学生向けの賃貸住宅を運営していた投資家は大急ぎで、11%程度の利回りで物件を売りに出しましたが、今現在(2024年2月)も物件は売れ残っています。

このように、長期保有戦略では期間が長い分、予測不能な事態が起こる確率も高いので、くいっぱぐれがないような物件を探す必要があります。

 

流動性の低さ

長期保有を目的として不動産を買った場合、基本的には短期売買に切り替えるということは難しいです。

というのも、長期保有と短期売買の利益の出し方は基本的に異なっているため、長期保有目的の物件を短期売買したとしても、思うような利益は出ないからです。

したがって、長期保有目的の物件は現金化が難しく、急な資金需要があった場合に、物件を売却して資金を確保することが難しいということです。

長期保有戦略を採用する場合は、この点を考慮して、資金計画を慎重に立てる必要があります。

私は長期保有をメインに行っている投資家です。

月々、お金が自動的に入って来るというのは思っているよりも心に平穏と安心をもたらしてくれるものですよ。

4. 短期売買の概要

短期売買の定義と特徴

短期売買は、購入後1年以内、場合によっては数ヶ月以内に不動産を売却する戦略を指します。

短期売買は、割安物件を見つける情報力、市場の波に乗じる機敏さ、不動産の価値を短期間で増加させるための改修やマーケティング戦略が長けている人向けの戦略です。

この戦略は、市場の短期的なトレンドや、特定の地域における急速な価値上昇を利用することに焦点を当てています。

例えば、エスコン計画発表前に土地を仕入れていたり。ラピダス誘致決定前に千歳の土地を購入していたりした方は短期売買目的の場合が多いでしょう。

短期売買のメリット

高い利益可能性

短期売買の最大のメリットは、短期間で高い利益を得る可能性にあります。

特に、市場が上昇傾向にある時や、特定のエリアでの開発計画が公表された際など、不動産価値が急激に上昇する可能性を見極め、それを利用することで、大きな利益を実現することができます。

不動産業者がよくやる短期売買は、割安価格で土地を仕入れて、適正価格で売却するというものです。

こちらは長期で現金が寝ることはないので、短期売買に成功した時はすぐに他の売買を行うことができる点がメリットであるといえるでしょう。

 

市場の変動を利用した収益

短期売買戦略は、市場の変動を利用して収益を上げることを目指します。

経済的な波や、地域的な開発計画など、外部環境の変化が不動産価値に大きな影響を与える場合、これらの変化を予測し、短期間での価値上昇に賭けることが可能です。

仮に失敗してしまった場合でも、長期での失敗に比べると損失は少ない傾向にあります。

短期売買のデメリット

高リスクと市場依存

短期売買の最大のデメリットは、高いリスクと市場の変動に強く依存することです。

長期保有は賃料収入というある意味「固定給」が存在するのに対し、短期売買の場合は「フルコミッション」のようなイメージです。

自分の実力次第では大きく稼げますが、買うべき物件がそもそも市場にない場合や、物件選びを間違ってしまった場合は全く稼ぐことができません。

また、短期的な市場の急変動にも弱く、何かの経済ニュース一発で大損をこいてしまう可能性もあるわけです。

短期売買用の物件は、低利回りな場合も多いので、こちらも逆に長期保有への切り替えも厳しいものがあります。

長期保有よりも、市場を読む力や度胸が試される投資形態なので、より玄人向けであるといえます。

 

税金と手数料の負担

短期売買では、売却に伴う税金や手数料が利益を減少させる要因となります。

特に、短期間での売買が多いと、売却ごとに発生する手数料や、短期譲渡所得税といった高い税率が利益に大きな影響を及ぼすことがあります。

購入時には、仲介業者を利用して売買を行うと約3%の手数料が取られ、登記費用などの諸費用で約3%がかかります。

加えて、売却するときには諸費用約3%に加えて、短期譲渡所得税が利益の39%かかるため、それらを差し引いても利益の出る物件を探す必要があります。

さらに、物件が見つかったとしても、そんな良い物件ですから当然ライバルがいる場合もありますよね。

そのライバルに競り勝って、手に入れた物件のみ、自分の利益になるわけです。

短期売買、なかなか難しそうだということが分かっていただけたと思います。

短期売買で利益を出している人は本当にすごいと思います。

地主さんを足しげく訪問したり、相続物件情報に対してのアプローチを欠かさい方のみができる投資方法です。

長期保有と短期売買の戦略的選択

投資目標とリスク許容度の評価

投資目標を明確に定義することは、長期保有と短期売買のいずれを選択するかを決定する上で重要です。

・長期保有:安定したキャッシュフローや資産価値の長期的な増加を目指す投資家

・短期売買:短期間で高い利益を狙う、より高いリスクを受け入れる投資家

自己のリスク許容度を正確に把握し、それに基づいて戦略を選択することが成功への鍵となります。

ただ、再三言っていますが、短期売買のリスクを許容できるような投資家は少なく、基本的には長期保有の投資を行うことをおすすめしています。

市場分析とタイミング

市場の動向を理解し、適切なタイミングで投資を行うことは、どちらの戦略においても不可欠です。

・長期保有:市場の周期を見極め、長期的に価値が上がると予想される地域や物件に投資

・短期売買:市場の急激な上昇や下落を予測し、迅速に行動を起こす必要がある

市場分析には深い知識と経験が必要とされ、成功するためには継続的な学習と情報収集が欠かせません。

また、投資には地域性があるため、基本的には自分が住んでいる地域への投資を行うと良いでしょう。

例えば、私も仙台市青葉区の土地が上がるかどうかなんて全く分かりません。

ですが、札幌市中央区の土地値が今後上がっていくか下がっていくかというなんとなくの予想は立ちます。

この「なんとなくの予想」すら建てられない地域には間違っても投資すべきではありません。

資金計画と流動性の管理

資金計画は不動産投資の成功に直結する要素です。

・長期保有:初期投資後に安定した収益を見込める、物件の購入や維持には相応の資金が必要

・短期売買:高い・速い利益は目指せるが、市場の不確実性や高い取引コストでリスク高め

どちらの戦略を選択するにせよ、流動性の確保と資金計画の慎重な立案が重要です。

投資家は、緊急時に資金を調達できる準備をしておく必要がありますし、投資の全体計画において資金の流れを明確に、細かいところまで把握しておくべきです。

特に、長期保有での修繕・管理費は見落とされがちですので、必ず見込んでおくように気を付けましょう。

人間だれしも速くお金持ちになりたいものなので、短期売買は魅力的ですが、意外と売買に係る手数料関係が高く、利益を出すのは思っている以上に難しいです。

安易に短期売買に取り組むのは諸刃の剣です。

成功事例と失敗事例

長期保有の成功事例

長期保有の成功事例として、市場価値が着実に上昇している地域に早期に投資し、数十年にわたって資産価値の増加と安定したキャッシュフローを享受した事例が挙げられます。

例えば、都市再開発が予定されている地域に不動産を購入し、再開発後の地価の上昇を見込んで保有し続けた投資家は、賃貸収入とともに最終的な売却収入で、資産価値の大幅な増加を実現しました。

再開発などの大型の工事が行われる場所の近くに賃貸物件を購入すると、その工事が行われている間は業者の方が、工事が終わった後は従業員の方が住んでくれるケースが多いので、とてもオススメです。

自分なりのロジックを確立し、そのロジックに沿って投資をすることが重要です。

短期売買の成功事例

短期売買における成功事例では、市場の急速な変動を利用して短期間で高い利益を上げたケースがあります。

特に、市場が低迷している時に低価格で物件を購入し、市場が回復した際に高価格で売却する戦略を採用した投資家は、短期間で顕著な利益を得ることができました。

最近だと、金利が上昇することが見込まれるため、不動産価格は落ち込む可能性があります。

今は市場利回りが下がっているので、なかなか買い時な物件はありません。

しかし、景気が悪くなり、不動産価格が下がったタイミングで購入できる資金力を蓄えておけば、短期売買で利益を上げられるかもしれません。

この成功は、市場の波を読む能力とタイミングを見極める洞察力に依存しています。

失敗事例と学び

不動産投資の失敗事例としては、市場分析の不足や過剰なリスクの取り方が挙げられます。

例えば、市場のピーク時に高価格で物件を購入し、その後の市場の下落により損失を被ったケースや、管理や維持が適切に行われず、物件価値が低下した例があります。

また、不動産投資は時間との戦いであることを理解し、短期的な利益よりも長期的な視野での戦略を立てることが、成功への鍵となります。

 

長期保有と短期売買の利点と欠点の再確認

長期保有

【メリット】

・税制

・資産価値の長期的な増加

・安定したキャッシュフロー

 

【デメリット】

・管理の負担

・流動性の低さ

・長期的な計画が必要

短期売買

【メリット】

・高い・速い利益

・市場の急激な変動がチャンス

 

【デメリット】

・ハイリスク

・市場への依存度が高い

・税金・手数料が高い

まとめ

今回は不動産投資の長期保有と短期売買について解説しました!

不動産投資では、一つの戦略が全ての投資家に適しているわけではありません。

長期保有にせよ、短期売買にせよ、良いところと悪いところがあり、あなたに合う投資方法を見つけることが大切です。

そのためには「なぜ不動産投資をするのか」という問いに対して、あなたなりの答えを持っておくことが必要ですよね。

リスクを取ってでも早くお金持ちになりたいのか、それとも比較的安全に、ゆっくりと資産を増やしていければよいのか。

あなたの目標を達成するために最適な手段を選んでいくことが大切です。

ただ、何度も言うように短期売買は難易度が長期保有に比べてかなり高いので、最初は長期保有目的での不動産投資をおすすめします。

長期保有を数回行った後に、慣れてきてから短期売買を始めても決して遅くはありません。

短期売買では一年以内に利益が出るんですから。

 

この記事があなたの不動産投資の役に少しでも立ったのであればうれしいです!

ではまた!

 

不動産投資は失敗すると〇百万、〇千万単位でお金が無くなってしまい、人生そのものをダメにする力を持っています。

逆に成功すれば、月に〇十万の収益が入って、人生がガラッと良くなることもあります。

だからこそ、時間をかけて勉強して、あなたに合った投資方法を見つけることが大切です。

なにか不動産について疑問があるときは遠慮なく、XのDMやお問い合わせフォームから質問くださいね。