不動産投資の金利上昇リスクとは?有効な対策や注意点を紹介

大 友

このような悩みを解決できる記事になっています。

自身の老後や子供の将来を考えて、不動産投資で資産を確保しようと考える人が増えています。

 

不動産投資は、安定した資産形成と高い収益性が実現できる投資方法として人気が高いですが、他の投資方法と同様にリスクも必ずあります。

 

特に昨今では金利上昇リスクが懸念されていることもあり、「不動産投資をはじめたいけど、失敗しないか不安」と考えている方も多いのではないでしょうか。

 

前半では金利上昇が不動産に与える影響を、後半では金利上昇に対しての対策について解説していますので、是非最後まで読んでみてください! 

 

不動産投資における金利上昇リスクの基本知識

不動産投資における金利上昇リスクとは、金利上昇に伴ってローンの利息が増加し、毎月の返済額が増える状況を指します。

 

金利が上昇してしまうと、毎月の家賃収入よりローンの支払いや諸経費が上回り、最悪の場合キャッシュフローの破綻につながります。

 

キャッシュフローを重要視する不動産投資では、多くの場合利率が低い変動金利のローンが利用されているため、金利上昇に伴うリスクを負いやすいので注意しましょう。

 

金利が上昇する原因

金利は需要と供給のバランスを維持するために変動するというのが基本的な考え方であり、景気によってその動きが左右されやすいです。

 

例えば、みんな「家が欲しい」と言うと(需要up)、ハウスメーカーが家を作るスピードが間に合わなくなり、値段を上げることで需要を抑えます。

 

・金利が上下する流れ

一般的に、景気が良くなれば人々の所得が増え、買い物や投資といった消費行動がよりアクティブになります。

 

企業は人々の消費行動をさらに促進させるために、提供する商品やサービスの質を向上させるべく、資金を投資して需要を高めることで金利が上昇するというのが金利上昇のメカニズムです。

 

しかし、金利が一定のラインまで上昇すると、人々は消費行動から貯蓄や節約などの保身行動にシフトするようになり、商品やサービスに対する購買意欲が低下しはじめます。

 

購買意欲が低下すれば企業の売上も同時に低下するため、再び景気の後退と金利の下降が起こるというのが一連の流れです。

 

このような景気回復→金利上昇→景気後退→金利低下の流れは、「経済情勢における一連のループ」と考えられており、多くの場合この順番で金利の上昇と低下を繰り返しています。

 

大 友

2024年現在は金利が上がるニュースが多く、金利が身近になりましたね。

金利上昇が不動産投資に与える影響

金利の上昇は、経済や金融市場に大きく影響します。

 

不動産投資も例外ではなく、不動産価格とローンの面で影響を受けると考えられており、場合によってはキャッシュフローの破綻が起こり得ます。

 

ここでは、不動産投資のなかでも金利の影響を受けやすい不動産価格とローンについて解説します。

 

1:不動産価格

金利が上昇すると、不動産価格は低下します。反対に、金利が低下すると不動産価格は上昇するというのが一般的な流れです。

 

これは、前述した「経済情勢における一連のループ」と関係しており、金利が上昇すると人々は消費行動から保身行動にシフトし、購買意欲が低下します。

 

購買意欲が低下すれば不動産を含めたあらゆる「モノ」が売れなくなるため、不動産会社は人々になるべく購入してもらえるように不動産の価格を下げざるを得なくなります。

 

不動産投資は購入時の価格だけではなく、売却時の価格も非常に重要です。

 

もし金利上昇に伴う不動産価格の低下時期に不動産を売却した場合は、かえって損失を生む可能性があるため、注意が必要です。

 

2:ローン

不動産投資をはじめる際は、金融機関のローンを利用して不動産を取得するのが一般的です。

 

キャッシュフローを重要視する不動産投資では、多くの場合変動金利のローンが用いられますが、変動金利は上昇金利の影響を大きく受けます。

 

変動金利は半年に1度見直しが行われ、金利が上昇していればローンの利率も上昇します。

 

ローンの利率が上昇するということは、毎月の返済額も上昇するということです。

 

毎月の返済額が上昇した場合、当初の返済計画から100万円以上総返済額が高くなるケースもあるため、借り入れるタイミングも重要になります。

 

大 友

金利は0.1%上がるだけでも、ダメージが大きいです。

これから金利が上昇するといわれている理由

世界情勢の影響

ウクライナ危機やイスラエル・パレスチナ問題など、世界で起こっている問題は日本の金利にもダイレクトに影響します。

 

たとえば、現在起こっている原油やエネルギー問題は、日本の物価上昇を引き起こしています。

 

物価が上昇してインフレが発生すれば、インフレを抑えるために日本銀行は金利を上げざるを得ません。

 

金利が上昇すれば、不動産投資で利用したローンの利率も上昇することにつながるため、不動産投資における「出口戦略」に大きな影響を与えます。

 

アメリカの金利上昇の影響

現在、アメリカでは新型コロナウィルス感染症によって低迷していた経済の回復が進み、金利を大幅に上昇させています。

 

日本では、アメリカの金利上昇に合わせて自国の金利を調整する傾向にあり、今後日本の金利が大きく上昇する可能性があります。

 

現在マイナス金利政策で低金利を維持している日本ですが、いずれ金利が上昇して不動産投資で利用したローンの利率も上昇すると考える声も少なくありません。

 

賃金上昇に伴う物価の上昇

今後日本では、賃金上昇に伴う物価の上昇が起こると考えられており、それに合わせて金利も上昇する可能性が高いです。

 

賃金上昇はまだ実現されていませんが、日本銀行は賃金の上昇に伴って物価が上昇することを目指しており、マイナス金利政策を解除して金利を上昇させるタイミングを見計らっています。

 

賃金が上昇すれば人々の消費行動がアクティブになり、インフレが発生します。

 

インフレが一定ラインまで上昇すれば金利も合わせて引き上げられるため、不動産投資で利用したローンにも少なからず影響があるといえるでしょう。

 

大 友

今までが低すぎたので、正常に戻ると思えばOKです。

金利上昇リスクを回避するための有効な対策

ここでは、今後起こり得る金利上昇リスクを回避するための有効な対策を紹介します。

ローンを借り換える

金利上昇リスクの対策として、ローンの借り換えが有効です。

 

借り換えを行う際は不動産の運用実績を提示することが可能であり、賃貸経営が順調な方であれば、不動産の購入時より容易に融資の承認がおりる可能性があります。

 

また、残りの返済期間が多く残っている方であれば、総返済額を大きく減少させられる可能性もあるため、金利上昇リスクが回避しやすくなるかもしれません。

 

ただし、借り換えは単に残債を返済して新たなローンを組むというわけではなく、借り換えに伴う手数料や解約金などの諸費用が発生するため、注意が必要です。

 

自己資金を使って繰り上げ返済する

自己資金を使ってローンの繰り上げ返済をすれば、金利上昇によるダメージが軽減できる可能性があります。

 

繰り上げ返済できれば、万が一金利が上昇してもその影響を受けないため、総返済額の増加を回避できます。

 

しかし、不動産投資で賃貸を運営する場合は空室や修繕、災害などのリスクが常にあるため、繰り上げ返済する際はいざという時に対応できるようにある程度の資金が残るようにしましょう。

 

変動金利から固定金利に変更する

現在変動金利のローンを利用していて、今後の金利上昇リスクが不安な場合は、固定金利に変更するという選択肢もあります。

 

ただし、変動金利の利率が固定金利の利率を上回ると予想することはできないため、変更する際は十分に検討したうえで行うことをおすすめします。

 

利上げが公表されたあとに固定金利に変更しても、利上げ後の利率が適用されるため、注意が必要です。

 

不動産を売却してローンを完済する

金利上昇による毎月のローン返済が不安な場合は、不動産を売却してローンを完済する方法もあります。

 

残債より売却額が高い場合は、自己資金を切り崩すことなくローンを完済できるため、ダメージも最小限です。

 

特に金利が上昇している時期であれば物価も上昇していることが予想されるため、より高額で不動産を売却できる可能性があります。

 

大 友

金融機関への金利交渉は、慣れていないうちはやめておきましょう。

不動産投資をはじめるときの注意点

ここでは、これから不動産投資をはじめる場合の注意点を紹介します。

低金利の不動産投資ローンを選ぶ

毎月の返済額を抑えて資金繰りを楽にするためには、低金利の不動産投資ローンを選ぶことが大切です。

 

メガバンクや都市銀行などの大規模な金融機関は、変動金利で1%〜2%が相場ですが、その分審査は厳しくなります。

 

一方で、地方銀行や組合などの小規模な金融機関は、変動金利で2%〜3%が相場ですが、大規模な金融機関に比べて審査は通りやすい傾向にあります。

 

金利がわずかに違うだけで、総返済額に100万円以上の差が出ることもあるため、ローンを検討する際は複数の金融機関を比較するようにしましょう。

 

返済期間は長く設定する

不動産投資でローンを組む場合は、返済期間を可能な限り長く設定することをおすすめします。返済期間を長く設定すれば、毎月の返済額が抑えられるため、資金繰りが楽になります。

 

一般的に、ローンを組むと途中で返済期間の短縮はできますが、延長はできません。

 

そのため、最初は返済期間を長く設定し、自己資金に余剰ができた際に繰り上げ返済で期間を短縮するようにすれば、余裕をもって不動産投資ができるはずです。

 

ただし、返済期間を長く設定すると支払う利息が多くなるため、総返済額が増える点については十分に検討する必要があります。

 

頭金を多めに払う

不動産投資では、金融機関から融資を受ける際に一定の頭金を支払うケースが多いです。

 

頭金を多めに払うことで残債にかかる利息を減少させられるため、毎月の支払い額を抑えることが可能です。

 

利息が少なければ万が一金利が上昇しても影響が少ないため、最小限の負担で不動産投資が継続できます。

 

ただし、安定して不動産を運営していくためにはある程度の自己資金を確保しておいた方が安心のため、生活資金を十分に確保したうえで、支払う頭金の額を検討しましょう。

 

大 友

自己資本を入れた方が返済は楽ですが、レバレッジ効果が薄くなってしまうのが難点です。

まとめ

今回は『金利と不動産投資』について解説しました。

最後に重要なポイントをおさらいしましょう!

  • 今後の金利は上昇傾向
  • 金利が上がりそうなら「固定金利」を選ぼう
  • 金利が上昇すると、不動産価格は下がり、ローン返済額は増える
  • 自己資本割合を高めれば金利に左右されづらいが、レバレッジは効かない
大 友

金利に振り回されずに、安定した運用を心がけましょう!

 

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不動産投資は高い専門性が必要であり、難しい面も多いですが、レックの強みである経験とノウハウ、スピード感を活かしてお客様のニーズに応えます。

 

不動産コンサルティングにも対応しているため、これから不動産投資をはじめたいと考えている方や所有している不動産の活用方法で悩んでいる方は、ぜひお気軽にご相談ください。