【2023年】住宅ローンの見通しは暗い?円安・物価上昇で変わる今後の動向

✔この記事はこんなあなたにオススメ!
  • 近々、住宅の購入を検討している方
  • 住宅ローンの借り換えを検討している方
  • 不動産の仕事をしており、今後の住宅ローンの動向が気になる方

ご覧いただきありがとうございます!

札幌の不動産屋、株式会社レックの大友です。

 

最近は金利上昇がどうとかのニュースが多いですよね。

不動産と借入は切っても切れない関係にあるので、私たちは日々金利の動向に注目しています。

今回は不動産を語るにあたって、絶対に欠かせない最近の住宅ローン金利の動向を解説します!

また、今後の動向や、注意点なども解説していますので、是非最後までお読みください!

住宅ローンは期間が長いので、金利が0.1%違うだけで総支払額が100万円前後変わってきます。

住宅購入のために借入をする場合には住宅ローンの知識は必須です!

 

最近の住宅ローン動向

金利タイプ2023年2022年
固定金利期間選択型(10年)3.940%3.350%
固定金利期間選択型(3年)3.360%3.000%
変動金利2.475%2.475%

参考:

ずっと固定金利の安心【フラット35】

 

上の表を見ると、2022年から2023年にかけて固定金利が上昇していることが分かります。

しかし、変動金利は横ばいの状況ですね。

なぜ、固定金利と変動金利は違う動きをするのでしょうか?

それは2つの金利はそれぞれ違ったものに連動して値が決まるからです。

 

金利が決まる仕組みを見ていきましょう!

 

ちなみにこちらの値は住宅ローン金利の基準になる金利の値ですので、実際に借入をする際の金利よりも高い値になっています。

実際の借入金利は、「金融機関」「顧客の信用スコア」「収入」などの様々な要因を複合で勘案して算出されます。

金融機関との良好な取引が長かったり、収入が高かったりすると、より低い金利で借入することができるんですね。

 

一緒に学んでいきましょう!

固定金利

固定金利は、長期金利である10年国債利回りに連動して変動します。

2023年11月現在、10年国債利回りは0.7%台と、前年同時期と比べて0.4%程度上昇しています。

これが住宅ローンの固定金利が上昇している原因と言えそうです。

  

なぜ長期金利に連動するのか?

  1. 資金調達コストの影響

銀行は住宅ローンを提供するために資金を調達する必要があります。

この際、国債や長期金利が参考にされます。

なぜなら、銀行が住宅ローンを通して長期の固定金利を提供する場合、その間に発生する金融リスクを考慮しなければいけません。

住宅ローン用の資金を調達する際のコストが、国債や長期金利によって影響を受けるという側面があります。

 

  1. 金利スプレッドの確保

銀行は住宅ローンを提供する際、自らの利ざや(金利スプレッド)を確保する必要があります。

金利スプレッドは、銀行が顧客に貸し付ける金利(住宅ローン金利)と、資金調達にかかる金利との差を指します。

固定金利を提供する場合、銀行は将来にわたるリスクを予測し、そのリスクを考慮して金利を設定します。

この予測において、国債や長期金利の動向を参考にします。

 

  1. 市場の期待値の影響

金融市場は経済の健全性やインフレーションの予測、中央銀行の政策などに基づいて長期金利を形成します。

銀行は市場の動向を考慮して金利を設定し、市場の長期金利の動向に合わせて固定金利を調整することがあります。

 

固定金利の動向を予想するには、10年国債の利回りの動向を予想することが一番です。

10年債利回りも色々なものに影響されて価格を形成しますので、予測するのは大変ですね、、

変動金利

住宅ローンの変動金利は通常、短期の市場金利や指標金利に連動して動きます。

これは、金融市場の変動や経済の状態に応じて、金利が調整されるしくみです。

なぜ短期金利に連動するのか?

  1. 金利のバランス調整

銀行はお金を貸したり借りたりする際に、利子を払ったりもらったりしますよね。

短期金利が上がると、銀行は直近でお金を借りるコストが上がり、顧客からも多くの金利を取らなければいけなくなります。

短期の金利だと、金利の支払いまでの猶予が短いので、変動金利にそのまま跳ね返ってくることになるわけです。

 

  1. 経済の指標

変動金利は経済の様子を反映しています。

景気が良いときは市場金利が上がり、変動金利も上がるようにできています。

景気が悪くなると逆に下がることがあります。

この仕組みは、経済の健全性を見る手がかりの一つでもあるのです。

 

  1. 借り手と貸し手のリスク分担

変動金利は借り手と貸し手とのリスクを分かち合う仕組みです。

金融機関は変動金利によりリスクを適切に管理して、借り手は金利が下がると得する反面、上がると負担が増える可能性があります。

変動金利は経済の健全性を保つために動いている側面が強いんですね。

 

金利の勉強は最初はわけわからないですが、だんだん慣れてくると、経済の動きが見えてくるので面白いですよ!

住宅ローン金利タイプの選択にも、もちろん役に立ちます!

住宅ローン固定金利が上がっている理由

2023年現在、住宅ローン固定金利(10年国債)が上がっている理由を詳しく解説します。

理由としては、主に以下の3つが挙げられます。

  1. 米国の金融引き締め
  2. 物価上昇
  3. 円安

米国の金融引き締め

米国の中央銀行であるFRBは、インフレ抑制のために金融引き締めを進めています。

2022年以降、FRBは3回の利上げを実施しており、今後も利上げを継続する見通しです。

米国の利上げは、世界的な金利上昇につながっています。

日本ももちろん、米国の利上げに影響をうける国の一つですので、徐々に利上げが進んでいる状況です。

物価上昇

日本でも、物価上昇が進んでいます。

2023年8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.5%上昇と、20年ぶりの高水準となりました。

物価上昇が続くと、将来の金利上昇を織り込んで、住宅ローン金利が上昇する傾向があります。

これは、金利を引き上げると、物価上昇が緩和されるからです。

 

住宅ローン金利が低い時の方が、高い家を買おうと思いますよね。

逆に住宅ローン金利が高いと、安い家にしか手が出なくなります。

 

円安

2022年以降、円安が進んでいます。

円安になると、「インフレ期待」「日銀の政策への期待」などから日本国債の利回りが上昇し、住宅ローン金利も上昇する傾向があります。

 

住宅ローン金利って奥が深いですよね。。。

プロである我々もその全てを理解している人は少ないです。

難しい内容ですが、時間をかけてゆっくりと学習していきましょう!

今後の住宅ローン金利の推移予想

今後の住宅ローン金利については、以下の2つのシナリオが考えられます。

  1. 金利上昇が続く場合
  2. 金利上昇が止まる場合

①金利上昇が続く場合

2023年11月現在、住宅ローン金利は、変動金利が年0.6%~0.8%程度、全期間固定金利が年1.0%~1.2%程度となっています。

もし、今後も金利上昇が続く場合、変動金利は年1.0%~1.2%程度、全期間固定金利は年1.4%~1.6%程度まで上昇する可能性があります。

 

金利上昇が続くと、住宅ローンの返済負担が増加し、住宅購入のハードルが高まります。

それに伴って、不動産価格にも下押し圧力が働くと考えられます。

②金利上昇が止まる場合

2023年10月に日銀が金融緩和を継続する方針を決定しました。

また、アメリカの利上げペースが鈍化する可能性も指摘されています。

これらの要因が重なり、今後金利上昇が止まる場合、変動金利は年0.4%~0.6%程度、全期間固定金利は年0.8%~1.0%程度まで下落する可能性があります。

 

金利が下落すると、住宅ローンの返済負担が軽減され、住宅購入のハードルが下がります。

金利が上昇して時とは反対に、不動産価格にも上昇圧力が働くと考えられます。


 

現時点では、どちらのシナリオが実現するかは不透明です。

しかし、今後も住宅ローン金利は、米国の金融政策や円相場などの動向に左右されると考えられます。

住宅の購入を検討されていう方は、今後も住宅ローン金利の動向をよく確認しておいてくださいね!

住宅ローン借入の注意点

住宅ローン金利の上昇は、住宅ローンの返済負担を増やすことにつながります。

住宅ローン借り入れを検討している方は、金利上昇に備えて以下の2点に注意が必要です。

  1. 金利上昇を織り込んだ返済シミュレーションを行う
  2. 繰り上げ返済を検討する

金利上昇を織り込んだ返済シミュレーションを行う

金利上昇を織り込んだ返済シミュレーションを行い、返済負担がどの程度増加するかを確認しておきましょう。

全期間固定を選択した方はシミュレーションが簡単に行えますが、変動金利を選択した方はできれば「最高」「妥当」「最低」の3つのシナリオを作成しておくと良いでしょう。

もし「最低」のシナリオが起きても、家計が成り立つように資金のプランを建てましょう!

 

②繰り上げ返済を検討する

繰り上げ返済をすることで、元本を早めに減らすことができ、金利負担を抑えることができます。

生活資金に余裕が出来たら、積極的に検討してください。

金利というものは期間が長ければ長いほど、膨れ上がっていきます。

繰り上げ返済には、月々の返済額を抑えるタイプと、返済期間を短くするタイプがありますが、繰り上げできるくらいの余裕があるのであれば、期間を短縮するタイプのほうが良いです。

 

世の中には、住宅ローンの金利の安さに目をつけて、住宅ローンとして借りたお金を投資に回す方もいるようです。

その行為は、そもそも禁止されていますし、金融機関にとても迷惑がかかるので、絶対にやめましょう!

まとめ

今回は住宅ローン金利の推移・動向について解説しました!

結構難しい内容でしたが、いかがだったでしょうか?

 

住宅ローン金利は、日本の経済状況を測る指標としても用いることができます。

これから住宅購入を検討されている方以外も、これを機に住宅ローンのニュースが出たら注意して見てみましょう!

きっとあなたの人生に役に立つ知識になるはずです!

 

こんなに難しい記事を最後までご覧いただき、ありがとうございました!

株式会社レックではあなたの住宅購入のお手伝いをさせていただいております。

住宅購入に関して不安やお悩みがある方は、是非ご相談ください!

もちろん相談は完全無料ですのでご安心を!

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